「メンバーを変えようとしない」チーム形成について 第2回
2019年04月01日
コミュニケーショントレーナーの長縄です。
メンバーとの信頼関係の深め方についてお伝えすることを、前回コラムで記載させていただきました。先にその答えをお伝えします。
信頼関係を深める一番のポイント、それはずばり「呼吸を合わせる」ということです。
突然の提案に・・・
皆さんも、こんな経験ないでしょうか。ある時、会社の朝礼で突然上司から「今日からこの部署で「感謝カード」を導入するから、みんな毎週5枚は周りのメンバーへの感謝を紙に書くように!」
どうも週末に受けたビジネスセミナーに感化されてのお話しのようですが、聴いている側としては、何を突然言い出しているんだと抵抗感を持ったり、また始まったと嘲笑したり、あまりのことでぽかーんと思考停止に陥ったり・・・。
せっかく話しの内容が素晴らしい物であるにもかかわらず、この人から言われるとどうも違う、と感じられる方っていらっしゃいますよね。
そう。そこにあるのは呼吸のズレなんです。
ペーシング→ラポール→リーディング
NLPという実践心理学では、人をリードするためのアプロ―チを次の通り図式化して説明しています。
ペーシング→ラポール→リーディング
ラポールとはフランス語で、信頼関係や同調をあらわす言葉です。
よくコミュニケーション系の講座の中では、「チームを創るためには、まずラポールを作りましょう。そのためにお互いの共通点を探してみましょう」という表現で使われたりします。
共通点を探すことも、ラポールづくりの一要素になりますが、その前提にペーシング、つまりペースを合わせることがあることを知っておいてください。
ペーシングで大切なのは呼吸をあわせること
そして、そのペースを合わせるのに一番大切なことが、呼吸を合わせることです。
呼吸の深さ、速さ。それらをよく観察して、その息づかいにあわせていくこと。
振り返って、周りを見渡してみてください。部下からの人望が厚い上司、誰とでもすぐに打ち解けられる山本君、プロのお笑い芸人。
コミュニケーション能力が高いと思われる方を観察していると、その多くは意識的か無意識的か呼吸のペースを周りの方に合わせていることを確認できることと思います。
どうですか?皆さんは、周りのメンバーと呼吸を合わせていますか?
日本語にはそれを端的に表した素晴らしい言葉があります。
「息が合う」
息が合ったチームでは、周りのメンバーの、課題やこれからやりたいこと等がなんとなく見えてきたりします。お互いに言葉に出さなくても、協力関係が築かれたりします。
息が合ったチームでは、チーム全体のパフォーマンスが飛躍的にあがります。
息が合ったチームでは、自然とお互いがあっていくので、プロジェクト終了時の懇親会でも「みんなお疲れ様!乾杯!!」の後の、飲み干したビールジョッキを机におくタイミングさえも「プハーっ!ビールが美味しい!・・・・ゴンッ!!」と同時に合わさるかもしれません。
メンバーと呼吸を合わせて、チーム全体の息をあわせる。
どうぞ指示をする時は、是非その前に呼吸を合わせることを意識してみてください。
以上、今回は信頼関係を深めるポイントとして呼吸をあわせることをお伝えしました。
次回の最終コラムでは、チーム作りにおけるリーダーの最も重要な役割についてお伝えします。
コラム執筆者
組織の体温を1℃温めるコミュニケーショントレーナー