顧客のハートをつかむ営業とは 第2回
2019年04月01日
2回目の登場となります。
JINタレントコンサルティングの坂本 仁(JIN)と申します。
業務として、法人様へ「社員の才能を開花させて組織を強化する」、ということを念頭に置き、全社研修の設計、営業研修、コーチング研修、管理職研修、営業研修、リーダーシップ研修、主体性発揮研修を提供させて頂いております。
また、個人向けにも個人コーチとしてコーチングセッションを提供しております。
3回に分けて、「高い成果を出す営業担当者」がどうやったら社内で増えるかについてお届けしています。
2回目は営業担当者がハンドリングするものについて考えてみます。
「FABアプローチ」ではもう古い
さて、皆さまの企業は何を提供するのでしょうか?
商品、サービス、様々なものを提供されている、と思います。
営業担当者はその、企業が提供する商品、サービスをお客様に熱心に売り込んでいきます。
では、「お客様が欲しいものは何でしょう?」
「お客様はどのように、営業担当者の話を聴いているのでしょうか」
少し、考えてみましょう。
営業の王道として、よく言われるのが『FABアプローチ』
そう、Feature:特徴、Advantage:利点、Benefit:利益の事ですね。
例えば、我が家でよく使われている「お鍋とフライパン」この「取っ手」がとれるのです。
これをFABに当てはめてみると、
Feature:特徴⇒取っ手が取り外せる
Advantage:利点⇒取っ手を取り外すとコンパクトになる
Benefit:利益⇒収納場所を省スペースで、そのままオーブンに利用でき、熱々のままテーブルや冷蔵庫に、シンクでもかさばらない
と、いう分け方でしょうか。
シンプルな営業のトークスキルです。これを私が学んだのは、20年以上前のお話です。
今はもっと進化して、Circumstance:環境、Concern:懸念なども融合してセールストークは作られています。
いやいや、でも、もっと売れる営業担当は心理的テクニックを上手に使いますよ。
それが、今回のタイトルの「感情の急勾配」なのです。
顧客の「感情の急勾配」を商機につなげる
何かっていうと、人って面白いもので、真っ暗闇の中のどん底で不安になっても、その暗闇の中に一筋の明かりを見つけると安ど感を覚えるのです。
停電した時、携帯画面の明かりだけを見ても安心するようなイメージでしょうか。
昼間に、非常用ランタンの明るさの偉大さを伝えてもよく伝わらないのです。その威力は非常時にしか理解できないのです。
何を言いたいかというと、欲していない、平常時の感情の顧客に売り込むのではなく、「落ち込んだ状態」の顧客に売り込まないとベネフィットも半減なのです。
「JINさん、うちのフライパンは取っ手が取れて省スペースなので、片付くんですよ」と、いうのではなく
「JINさん、シンクに洗い物がたまっていると気になりません?そのままだと、片付いていていないと感じてなんか、食事していても気になって落ち着かなかったり・・。」
(JIN:まぁね・・)
「そういうのって、チリも積もれば・・って、やつで、小さいストレスが積み重なって気が付かないうちに、イライラして来ません?」
(JIN:まぁ。。ストレスは足し算みたいなものだからな・・)
「そのままだと、どうなります?」
(JIN:そりゃ、もう、料理イコール、ストレス?)
「だから、このお鍋は片付くこと、は当然なんですけど、シンクにある状態でも重なってコンパクト。決して汚く散らかっているように見えないし、もちろん、洗うのも楽。
その後も重ねて収納できるから省スペース」こんな感じでしょうか?
この、「落ち込んだ状態」はいくつかパターンがありますが、その状況を顧客にイメージしていただかないと、うまく製品のベネフィットが入って来ないのです。
落ち込んだ状態から、満足している状態の感情の急勾配を売れる営業担当者は作り、顧客の感情の揺れ動きをハンドリングしているのです。
私は、研修講師、コーチです。
企業様のニーズ、個人のニーズに応えるのが仕事です。時々、私も聞きますよ。
「この研修をやらなかったらどうなりますか?」っと。
そして「私は、この手の研修をやって失敗するケースを見てきましたよ。その後の研修担当者は大変なんですよね。私も企業のトレーニングマネジャーだったから大分痛い思いをしました。私以外の講師を使うと恐らく…」
と、言う流れになるとほぼ、契約をいただけます(笑)だから、研修4か月待ちの講師なのです。
次回は営業の締め「6割のクロージングで十分!?」をお届けします。