ストレスマネジメントとメンタルヘルスの関係性
2019年04月01日
メンタルヘルスとは
皆様は、「ストレスマネジメント」や「メンタルヘルス」という言葉は、よくお聞きになると思います。その言葉からは、なんとなく不安や心配のイメージがわき、またよくわからない言葉と思われていませんか?
「ストレスマネジメント」とはストレスをコントロールすることで、「メンタルヘルス」とはストレスの影響を受ける心の健康のことを言います。
この心の状態が健康か健康でないのかがよくわからないのは、身体的な状態と違い、心の中の状態は本人にとっても、他人にとってもわかりにくいからです。
また急性ストレス反応から腹痛、下痢、頭痛などの症状があっても、通例はまず体の健康面から投薬等の治療で改善しようとすることと思います。
その後に症状が改善しなかったり、症状が反復したり、なんとなく体がだるかったり、不眠の状態が2週間以上続けば、他に原因を求めて、初めてメンタルヘルスの不調の可能性を疑うことになります。
したがって、心の健康状態を知るためにストレスチェック制度を利用するのは有効な手段といえます。
ストレスが人に与える影響(有益面と有害面)
その一方で「ストレスによる健康障害のメカニズム」によれば、「ストレッサー(ストレスの原因となる刺激)」が外部からの刺激として、人間の中枢神経系に影響を及ぼします。ストレッサーが「ネガティブ」な感情につながるのか、または「ポジティブ」な感情につながるのか、各個人の認知等により、その結果が一律ではないことも、客観的な評価ができない一因だと思います。
また、「ストレスと生産性の関係(アメリカの心理学者:ヤーキーズ=ドットソンの法則)」では、適度なストレスはパフォーマンス(生産性)や効率の向上につながるという有益面と、過度なストレスは健康にも悪影響を及ぼすという有害面があります。
メンタルヘルスにおいて重要なこと
ストレスの有害面によって心の健康が損なわれた状態を、メンタルヘルス不全といいます。メンタルヘルス不全の兆候としては、以下のものが挙げられます。
急性ストレス反応
- 心理面
不安、緊張、イライラ 等 - 身体面
胃痛、下痢、疲労感 等 - 行動面
遅刻、欠勤、業務ミスの増加 等
これらの症状が現れた段階で、本人によるセルフケアや、周囲の人々のサポートによりメンタルヘルスの改善を行うことができれば、本人や周囲に多大な影響を与えることなく、従来または従来以上のパフォーマンスで業務復帰することが可能です。
しかしながら、メンタルヘルスの状態が改善されることなく、メンタルヘルス不全が悪化してしまった場合、疾病の段階に至る可能性もあります。この段階に至ってしまうと、従来のメンタルヘルスの状態に改善するまでに、相当の時間を要する場合も考えられます。
以上のことからわかるように、メンタルヘルス対策において最も重要なことは「未病対策」です。
以上の内容を踏まえて、この講座では、メンタルヘルスを理解して、メンタルヘルス不全にならないために、
①コミュニケーションの大切さ
②事業所での対策の立案・実施
③職場の環境改善
④健康職場作りを行うことによる生産性の向上の可能性
について、受講される皆様と一緒に考えていきたいと思います。皆様の参加をお待ちしています。
コラムの内容を学べる公開研修情報
- 『ストレスマネジメント基礎講座 ~メンタルヘルスを知る』
- 日程:2019/05/15(水)
15:00~17:00
コラム執筆者
保有資格
- メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種合格
- 国家資格 2級キャリアコンサルタント技能士
- 国家資格 キャリアコンサルタント