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部下のストレスマネジメントのために管理職にできること

2019年04月01日


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「ストレスマネジメント」や「メンタルヘルス」、最近では「健康経営」など、1990年代にテレビCMで流れていた「サラリーマン、24時間戦えますか?」というキャッチコピーの時代とは異なるキーワードが巷に溢れています。その実現のために、管理職が果たすべき役割も大きいと喧伝されています。
でも、「言っていることは解るけど…」という方も多いのではないでしょうか?

ストレスを多く感じるのは日本人特有の「我慢強さ」「責任感」が一因!?

なぜ、ストレスの問題を難しく捉えてしまうのでしょうか?…ここで、ある調査をご紹介しましょう。

国際比較調査グループISSPが2015年に実施した「仕事と生活(職業意識)」調査によると、仕事でストレスを「いつも+よく」感じる日本人は男女ともに半数程度で各国と比べて多く、仕事を「自分一人でできる」と感じている人は、多くの先進国で8割以上を占める一方、日本では男女ともに2割台に留まるという結果になっています。仕事を「おもしろい」と考える日本人も各国と比べて少ないのです。

他国と比較しても日本人は仕事でストレスを多く感じていることから、日本人が持つ美意識や文化が影響していると、私は考えています。その代表格が「我慢強さ」です。これが不必要とは思っていませんが、苦しい状況に直面しても「ジッと耐え忍ぶ」に傾斜しすぎると、外的環境の変化に苦境脱出を依存することにもなります。これは、2013年にダボス会議で発表されたレポートにある「日本人のレジリエンスの低さ」にもつながっているように思います。

*レジリエンス(resilience)とは、跳ね返り、弾力、回復力、復元力という意味。ストレス(stress)と共に、物理学の分野で使われていた言葉でしたが、近年では個人・組織ともに通用する「様々な環境・状況に対しても適応し、生き延びる力」として使われるようになっています。

次に「チーム意識」の強さです。仕事を「自分一人でできる」と感じている人が少ない(チームで取り組むという意識)ことにも表れていますが、苦境を脱出するにあたって「周囲に迷惑をかけてはいけない」という判断になっていまい、苦境に陥っていることを個人で抱えてしまうことになりやすいともえます。

2018年に行われたイギリスの経済紙エコノミストとアメリカの「カイザー家族財団」による共同調査:「孤独」に関する意識調査で、「孤独は自己責任」と考える人が日本では44%を占め、他国を大きく上回る結果になっていることにも表れているように思います。

部下から相談してもらう、ではなく、上司が気づいて声を掛けるに変えていく

これらのことから、真面目に仕事に取り組んでいる人や、成果に対してチャレンジしている人ほど、苦境を抱え込んでしまうことがわかります。 加えて、日本には年齢役割という文化があって、加齢と共に成長しないといけない、人間的に立派でないといけないという強迫観念めいたモノが存在します。

また、部長や課長といった肩書を「役割」ではなく「立場」と捉え、人間関係を上下という位置づけで把握してしまったりします。
そう考えれば、個人の悩みや不安を上司に相談するというアクションは至難の業なのです。

働き方改革も始まり、労働時間に上限ができる時代です。「24時間戦えますか?」の時代の管理職像ではなく、現代社会にアップデートした管理職像を持つべき時代なのです。 日頃から相談しやすい雰囲気づくりやチームの在り方、相談しにくい悩みや不安に管理職が気付いて「声掛け」から苦境脱出の糸口を見出していく…これらのスキルは、「令和」の時代の職場のリーダーには必須スキルになるのです。

コラムの内容を学べる公開研修情報

『管理職のためのストレスマネジメント講座 ~ 部下からのサインに気付くために』

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コラム執筆者

松本 治
松本 治
SAP 代表
「ブラック企業問題を社会から根絶したい」という想いから人事コンサルタントとして独立。「狐とタヌキの化かし合い」のような人材採用・育成ではなく、組織(雇用主)と労働者(雇用者)がお互いに選び選ばれる関係を創ることをお手伝いしています。理想は「人的資本」という考え方のような、個人と組織の成長が社会に貢献することと業績に繋がる好循環を創出することと考えています。現 大阪工業大学工学部生命工学科客員教授。

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