ハラスメント問題を考えよう ~被害者・加害者にならないために知るべきこと
2019年04月01日
ハラスメントとは
皆様、「ハラスメント」という言葉をTVや新聞等で見たり聞いたりする機会はあると思いますが、わが社には無関係な言葉だと思っていませんか。「ハラスメント」とはいろいろな場面での「嫌がらせ、いじめ」で、種類はさまざまですが他者に対する発言・行動等が、本人の意図に関係なく相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えたりすることをいいます。(出典:大阪医科大学HP)
厚生労働省の「平成29年度個別労働紛争解決制度の施行状況」によると総合労働相談でのトップの内容は6年連続「いじめ・嫌がらせ」で約7万2千件あり、二位の「自己都合退職」、三位の「解雇」を上回っています。
その一方で厚生労働省の平成29年「労働安全衛生調査」(実態調査)によれば、労働者が仕事や職業生活に関する強いストレスを感じている割合は約6割で、その強いストレスを感じている内容の一位が「仕事の質・量」、二位が「対人関係(セクハラ・パワハラを含む)」となっています。
以上のデータから「ハラスメント」に関するトラブルやストレスを抱えている人は決して少なくないということが言えます。
「ハラスメント」を受けていると判断するのは被害者
これだけのデータがありながら「ハラスメント」を身近な問題としてとらえることが難しいのはなぜでしょうか?ハラスメントを受けているか否かの判断は、主観的な評価が強く、人によって判断基準が異なることが一つの要因です。
つまり、ハラスメントの判断は相手側である被害者の判断によるものであるからです。
例えば、特に危険な仕事の指導を受けていて人命に関わるような場面になれば、半ば暴力的な指導を受けても第三者からみれば当然と思うこともあります。しかし、そういう危険、窮迫な場面でない限り、そのような強制的な指導を行えば、相手側の尊厳を傷つけることになり、ハラスメントの加害者になる可能性が高くなります。
また、受け手の判断で「ハラスメント」か否かが決まるということを考えると、今日まで「ハラスメント」と無縁でいられた方も、その相手が「ハラスメント」だと感じながら言葉や態度に出していないだけであった可能性さえあります。
このように「ハラスメント」には明確な線引きはありません。人や状況によって刻一刻と変化していくこともあります。
「ハラスメント」対策とは
ではそのようにあいまいな「ハラスメント」に対して、一体どのような対応をすれば良いのでしょうか?
如何にあいまいといえど、一般的に「ハラスメント」を起こしやすい発言や環境というものはあります。ハラスメントの被害者や加害者にならないためには、過去の事例から学ぶことが堅実です。
さらに、現代社会では急速な社会変化に対応して価値が変化し多様化していますので、そうした情報にも敏感であることも必要です。
社員全員が加害者や被害者にならないように未然防止をすることが、ひいては人材育成につながるという重要性の認識と、そのために必要なコミュニケーションの改善方法などについて皆様と一緒に考え、練習したいと思います。
皆様のご参加をお待ちしています。
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コラム執筆者
保有資格
- メンタルヘルス・マネジメント®検定試験Ⅰ種合格
- 国家資格 2級キャリアコンサルタント技能士
- 国家資格 キャリアコンサルタント