企画立案の基本的な考え方 ~あなたの思いつきを優れた企画にするポイント
2019年11月20日
優れた企画とは
いきなりですが、皆さんにとって企画とは何でしょうか。
新しい商品を開発するアイデア、今の人手不足に対応する策、業務効率を飛躍的に向上させる案、などなど。
要するに何か事をうまく進めるための新しい取り組みをまとめたものですね。企画書という形式でなくても、何らかの提案なら広い意味で企画と言えるでしょう。
企画は自分の頭の中で思い描いていても始まりません。それを判断してもらう誰かに話します。
判断する人はまず何を見る(聴く)でしょうか。
大きくは次の二つ、何を解決したいのか(テーマの重要性)と、どんなやり方か(解決策の妥当性)です。
テーマの重要性というのは、とりあげたテーマが今の時点でどれだけ重要なのかということ、解決策の妥当性というのは、その効果の大きさ、かけるパワー、斬新さなどです。
企画立案プロセス
では、判断ポイントの高い企画を考えるにはどうすればよいでしょうか。それには下図に示したフレームワークを使います。
環境分析は広く世の中の動向を捉えたり、自社内部の業務プロセスを調べたりします。ここから自分たちの問題点を示すことで、テーマの重要性を主張することができます。
解決策は根拠なく思いつくものではなく、論理的な流れを作って導き出すことが必要です。それが解決策の妥当性につながります。
生きた企画書のポイント
それでは企画の構想はできましたので、次は企画書に仕上げていきましょう。
企画書の構成は、概ね前項の「企画立案プロセス」に沿っているのが一般的です。
この時に留意すべきポイントは三つあります。
- 論理的なストーリーを組み立てる
- わかりやすい表現を使う
- 聴き手(承認者)の期待を知る
これらはプレゼンテーションのポイントと同じです。
前項にも「論理的」という言葉を使いました。しかし、実際には企画の出発は思いつきのアイデアかもしれません。思いつきも大いに結構ですが、思いつきの結論だけでは論理的にはなりません。後付けでよいので、どうやって解決策にたどり着いたか論理的に仕上げましょう。
最後に
最初に企画の判断軸は大きく二つと言いました。実はもう一つ大切なことがあります。
それは企画者であるあなたの熱意です。このテーマを是非やり遂げたいという熱意が聴き手の心を動かします。
本テーマの公開研修では、以上の内容を私の経験事例を交えてわかりやすく解説していますので、是非お越しください。皆さんとお会いできるのを楽しみにしています。
コラムの内容を学べる公開研修情報
- 『企画立案スキル講座 ~優れた企画の作り方』
コラム執筆者
公益財団法人未来工学研究所 シニア研究員
・経験:ITベンダーの富士通でエンジニアとして30年従事し、プロジェクトマネジメント、お客様折衝、企画立案などの様々なシーンを経験。それらを活かして2007年より研修の講師に従事。
・対象階層:新入社員から管理職まで、これまで延べ5000人以上の受講者。
・研修分野:思考力、企画力、プレゼンテーション力、IT基礎力など。
・研修の特徴:経験に基づいた独自の整理で分かりやすさを追求。更に現場事例も豊富。