VUCA時代に求められる「決断力」とは?
2020年11月25日
決断力とは
こんにちは、組織・人事コンサルタント トレーナビリティーの新井です。
皆さんは日ごろ「決断力」を求められていますか?
また、「決断力」を発揮していますか?
多くの管理職であれば、こうした問いに対して「Yes」と答えると思います。
管理職ともなれば、部下から決断を求められることや、部門の方針を決定しなければな らない場面が多くあります。ですから、管理職として「決めている」という点は「Yes」だと思います。
もちろん、優柔不断で決められないという状態では部下の信頼を失いますし、業務が後ろにずれこんでしまいかねません。
しかし、ビジネスで求められる決断力とは、ただ決めるということではありません。「モノゴトを、ただ理解して考えを決める」というのは、厳密にいえば「判断」です。
対して決断というのは「不確実性が高いことでも、きっぱりと心を決めること。」です。
過去のケースを参照して、「これが妥当だろう」というのは判断。仮に過去のケースを参照してもリスクが高い、どうなるかわからない、それでもやると決めて腹をくくること。これが決断です。もちろん、「どうなってもいいや」という開き直りとも違います。
つまり、決断力とは、不確実性が高いことでもスピーディーに意思決定し、成功に向けて行動するための土台となる胆力ということができます。
なぜ決断力が必要なのか?
では、なぜ判断ではなく決断力が必要なのでしょうか?
その理由の一つは、昨今の市場環境の変化の速さ、激しさにあります。現代はVUCAの時代と言われており、環境変化のスピード、大きさが20世紀の比ではありません。
高度経済成長期であれば、同じ仕事を繰り返すことで、利益を増やすことができました。売上を上げるなら営業を増やせばいい、という単純な計算も成り立ちました。
しかし、例えばスマートフォン一つで従来の機器何十台分もの機能を備えている通り、技術の進化によって多くのビジネスモデルや働き方が変わりました。
また、ジェンダー等に関する意識も高まり、少しでも誤ったコミュニケーションをとれば「炎上」してしまうことも多々あります。
そうしたリスクを加味して、しかも「前例のない」ことに取り組む必要があるのが、現代ビジネスの特徴です。
だからこそ、考えた上でわからない事象に対して「心を決める」という決断が必要なのです。
日本人は決断が苦手?
日本人は、世界一不安を感じやすい民族と言われています。これは遺伝子的にも解明されており、欧米人と比較すると3倍以上も不安を感じやすいということがわかってきました。
失敗したくない。
後悔したくない。
こうした気持ちから悩み続けてしまい、結局決断ができないという方が多くいます。
挑戦してみたいと思っても、お金が無くなることや馬鹿にされることなどが頭をよぎってしまい、結局何もしなかったという経験もあるかもしれませんね。
決断力のメリット
決断力があることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。次のような点があげられます。
チャンスを逃さない
目の前にチャンスが来たと思って、すぐに行動することができれば、そのチャンスを逃さずに済みます。
チャンスの女神は前髪しかない、という言葉もありますが、目の前に見えているときにすぐにつかまなければなりません。
時間の無駄がない
悩む時間が減りますから、その分浮いた時間を別のことに使用できます。
先行者利益を得られる
すぐに事業を動かすことができれば、市場において「早くやり始めた」という状態になります。その分多くの情報や顧客をつかむことができるようになります。
新たな発見を得られる
決断し、行動して失敗することもあるでしょう。しかし、チャレンジしたことに対する心境の変化やチャレンジしたからこそわかる気づきがあるはずです。そうした新たな発見を得られるのも、決断力のメリットといえます。
もちろん、何もわかっていない状況で決めるのは難しいでしょう。ですから、ある程度先を見通す力を鍛えておくことで決断しやすい状態になります。
今回の研修では、決断力を高めるために、何をすればよいかということを知識として身に着けるだけでなく、不安があっても意思決定ができる胆力を鍛えるためのトレーニング方法までご紹介します。一定の見通しを立てつつも、どうなるか分からない未来に対して向き合っていくための考え方、方法を習得してください。
コラムの内容を学べる公開研修情報
- 『管理職のための決断力強化研修』
- 日程:2021年1月18日(月)
18:00 ~20:00