部下を導くサーバントリーダーシップの特徴とポイント
2023年02月21日
1.時代に求められるサーバントリーダーシップという考え方
皆さんは、サーバントリーダーシップという言葉はご存知ですか?これはリーダーシップの一つの形で、1970年代のアメリカにて登場したものです。
一般的にイメージされるリーダーシップは、周囲を巻き込み、ビジョンに向けて、強い言動や影響力で引っ張っていく、というものですが、サーバントリーダーシップは少し違います。
サーバントリーダーシップでは「リーダーはまず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」という考え方をベースにしており、部下の能力を肯定する、相互の利益となるような信頼関係を築くことを重視しています。
もともとサーバントとは、「奉仕者」という意味を持つ言葉です。部下が、自分の能力を最大限発揮するための環境づくり、関係性づくりに「奉仕」するものといえます。
2.サーバントリーダーシップは「部下への甘やかし」ではないのか?
サーバントリーダーシップの考え方からは、「部下を自由にさせる」「上司の権限がない」「部下を甘やかす」という印象を持たれる方もいますが、これは間違っています。
奉仕というのは、社会や国家のために私心を排して誠心誠意尽くすという意味合いです。つまり、「部下のため」だけではなく「会社のため」あるいは「より良い社会づくりのため」のリーダーシップと捉えるのが適切です。
目指すものは目標達成であり、そのためのアクションがスムーズに実施されるためにサポートすることがポイントです。ですから、目標に反する業務を部下が行うなら、当然ストップをかけていきます。
また、部下が「動きやすいようにサポートする」ということは、部下を甘やかすということでもありません。部下の強みを最大限いかせる状態を作り上げるということです。もちろん、成長のために「今は支援しないほうが良い」のであれば、それも大丈夫です。
3.サーバントリーダーシップの効果
では、このサーバントリーダーシップにより、どのような効果があるか、考えてみましょう。
① 部下の強みを基本とし、主体性や能力を高めることができる
サーバントリーダーシップでは、「どこに向かうか」を明確にしたうえで、個々人がすべき最善、最優先を行いやすくするようにリーダーがサポートをします。すると、行動は成果に直結するものになると同時に、自分がやることが明確になるので着手も早くなります。強みを前提として必要とされる力も明確になるので、能力向上も期待できます。
実施のためのポイントでお伝えしますが、そのためには目標共有に加え、上司は各人の強みや考え方を理解することが重要になります。
② 変化に対応しやすくなる
上意下達で指示をするのではなく、目標に向けた主体的な行動が促されます。そのため、現場で何かおこっても、「指示通りに動く」ではなく「目標に向けて動く」ため、臨機応変な対応に繋がりやすくなります。
③ エンゲージメント、満足度の向上が見込める
エンゲージメントには、各自が「理解してもらえた」という感覚と、やりがいの実感という要素が含まれます。上司がメンバーを理解し、そのうえで同じ目標に向けて動くことで、こうした要素が強化されていきます。
4.サーバントリーダーシップ実施のためのポイントは?
では、どのように「サーバントリーダーシップ」を実施すればよいのでしょうか?
まずは目標です。これは数字だけでなく、意味付けや顧客の状態をイメージすることが大切です。例えば「売上10億円!」という目標も大事ですが、その金額は会社や個人にとってどのようなインパクトがあるのか、そして達成しているとき、お客様はどう変化しているのか、を想像しましょう。
そうすることで、目指す状態がクリアになり、目標に向かうための行動もイメージしやすくなります。
次に各人の強みの理解です。人はそれぞれ違うスキル、特性を持っています。全員に全く同じことを行わせることは不可能で、むしろキーとなることさえ外さなければ、他は各自がやりやすいようにしてよいでしょう。
上司がこの点を理解すると、「もっとこういう行動の方が、彼には合っている」ということも分かります。
もちろん、実際には実施にあたり様々な注意点があります。上司が雑用を引き受けすぎてしまっては上司の仕事ができないこともありますし、強みを把握するといっても方法が分からないというケースもあるでしょう。
今回の研修では、サーバントリーダーシップを導入するために必要なポイントを簡潔に、整理してお伝えします。自社の従業員の力を最大限に引き出すためにも、ぜひ考え方を習得してください。
部下を導くサーバントリーダーシップ
- 日程:2023年4月12日(水曜日)15:00~17:00
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