コンプライアンス研修とは?各業界のコンプラ違反事例集と対策方法
2024年06月05日
コンプラ違反による倒産が急増している現在、研修の実施は最優先で取り組むべき課題になっています。ただしコンプラ研修で成果を出すためには”どうやるか”がポイントです。
今回は業界別にコンプラ違反の最新事例を取り上げ、研修を実施するコツなど実践的な対策方法をご紹介します。
「コンプラ研修こそ本腰を入れてやるべき」といわれる理由
売上至上主義の時代が終わり、ステークホルダーがコンプラ違反を厳しく見張る時代に突入しました。
コンプライアンス研修の目的は「企業のリスク管理」のため
コンプライアンス研修の目的は「企業のリスク管理」になります。一昔前なら「よくあること」と見過ごされていたパワハラやセクハラも、今は違法行為として裁かれるおそれがあります。
実際にセクハラの裁判で最高裁まで争われたケースもありますが、いずれにしても企業にとって社会的信頼が失墜する大打撃になります。
どんなに利益を出していても、たった1回のコンプラ違反が命取りになる時代です。
問題が起きる原因は?「知らなかった」は通用しない
コンプラ問題の根底にある原因は「コンプライアンスに対する無知」に他なりません。
これだけ世間がコンプラ違反に厳しくなっている今、「知らなかった」という言い訳は火に油を注ぐだけです。
厄介なことに仕事の場合「業績を上げなければ」、「他の社員に劣りたくない」という一見ポジティブな動機が原因になることも珍しくありません。
軽微なものも含め、どこからどこまでがコンプラ違反なのか、学習が不可欠です。
コンプラ倒産300件超!毎日1社の企業が潰れる時代に
2023年度のコンプラ違反倒産は、ついに350件を超えました(帝国データバンク調べ)。
毎日1社がコンプラ違反によって潰れている計算になりますが、数字からもリスクの深刻さが伝わるのではないでしょうか。
倒産リスクを回避するために研修の実施が急がれますが、研修の選び方にも注意が必要です。
研修の効果を現場レベルで発揮できるように、最新事例を踏まえた実践的な内容の研修を選びましょう。
【業界別】コンプライアンス違反の最新事例集
コンプラ違反の最新事例を業界別にピックアップしました。同業者が起こした不正行為の例を知ることは、効果的な予防策になります。
不正行為の厳しいペナルティ|サービス業
サービス業は各業界の中でもとくに不正が多く、コンプラ違反倒産全体の3割を占めています(帝国データバンク「2022年度コンプライアンス違反倒産 業種別推移調査」)。
福祉施設でも人手不足の問題が深刻化し、不当なサービス残業が多発しています。未払金の支払いを求めて従業員が事業所を訴えた事例では、裁判所が経営者に支払いを命じる結果になりました。
その事業所は長年に渡り未払金を放置したため遅延損害金、賦課金が加算され、今まで泣き寝入りしていた元従業員に相次いで訴訟を起こされる事態に陥りました。
不正行為が公になれば客離れが生じ、就職希望者も激減するはずです。
目先の利益を狙った不正行為に手を染めたせいで、経営者は未払分以上の厳しいペナルティを課せられたことになります。
一発倒産した事例も|建設業
建設業では暴力団や反社絡みのコンプラ違反が頻発し、一発倒産した最新事例も報告されています。
その経営者は暴力団幹部と食事会など密接な交際を続けていたため、暴力団関係事業者として通報されました。
情報を素早くキャッチしたメインバンクが口座を即座に凍結したため、他の金融機関も続々と取引を停止します。
業績は順調だったにも関わらず、結局、手形決済が不履行になり、負債は数十億円に膨れ上がりました。最終的に自己破産を申請する事態になった事例です。
個人情報の私的流用|通信業
通信業では、個人的な事例も目立ちます。例えば携帯ショップに訪れた芸能人を「○○が来店」とSNSで発信することも、本人の許可がなければNGです。
容姿や言動を褒める内容であっても、プライベートな情報を漏らすのは住所特定などのリスクを伴います。
個人のアカウントであっても個人情報の私的流用として、企業が責任を負うコンプラ違反になります。
教員がセクハラで逮捕・・・|学校法人
神奈川県横浜市の学校法人でも深刻なコンプラ違反が起きています。勤務先の小学校で女児にわいせつ行為を行ったため、元校長が強制わいせつ罪で逮捕された最新事例です。
しかも公判の際、同市の教育委員会が新たなコンプラ違反を行ったことが公然となりました。
教育委員会は職員を大量動員して傍聴席を埋め、関係者以外の傍聴を邪魔したことを認めています。
教員の犯罪というおぞましさに加え、組織の根深いコンプラ問題が垣間見える事例です。
パワハラは“間接的”でも訴えられる|地方自治体
パワハラはたとえ間接的でもNGです。ある地方自治体では、上司に間接的なパワハラを受けたとして、職員が国を訴えました。
原告は上司が特定の部下にしつこく暴言を吐く職場環境で勤務したため、精神的苦痛を受けたと主張しています。
国側も争う姿勢を示してまだ決着はついていませんが、判決に注目が集まっている事例です。
他にも、民間企業で間接的パワハラが裁判沙汰になった事例があります。この事例ではパワハラ上司、そして上司に加担して被害者を罵倒した部下も訴えられました。
裁判所は上司と部下の不法行為を認め、慰謝料の支払いを命じています。
ルール違反の頻度が激減!よく効くコンプラ対策
コンプライアンス問題を未然に防ぐために、違反が起きない二重、三重の仕組みづくりに着手しましょう。
身近な事例からルールを作成
ルールづくりは、真っ先に取り組みたいコンプラ対策の一環です。企業の基本方針を周知し、方針にのっとって就業規則や社内規定を策定します。
社内規程の中でも、実務に関わる項目は別途ガイドラインを作成するのもおすすめです。
業務プロセス全体をチェックし、違反や不正が起きそうなワークフローをあぶり出してください。身近な事例から実践的なルールを作成すれば、効果的なコンプラ対策になります。
内部告発を企業の利益にする仕組み
内部通報制度は、社内の自浄作用を高める効果を期待できます。内部告発は一見、企業にとってデメリットしかないように感じるかもしれません。
しかしながら職場の風通しのよさと業績は相関関係にある、というデータも報告されています。
内部通報制度の導入に成功すれば、企業と社員にとって利益になる仕組みになるでしょう。問題が起きても早期発見できれば、損害を最小限に抑えられます。
コンプラ違反が横行する劣悪な労働環境は、いつ爆発してもおかしくない爆弾を抱えているようなものです。
「コンプライアンス=法令遵守」と教える研修は受ける価値なし?
コンプライアンスはよく日本語で”法令遵守”と訳されますが、不適切動画のように直接的に法を犯していなくても企業がダメージを受けるケースは無数にあります。
法的な内容だけに留まる旧型の研修では、抜け穴だらけです。
また、セクハラ・パワハラ・モラハラもコンプラ違反の典型例ですが、ハラスメント事例しか取り上げない研修も十分とはいえません。
コンプライアンスの定義は年々拡大しているので、最新事例を盛り込み広範囲をカバーしている研修を選ぶことが大切です。
最新事例が学べるサイバックスUniv.のコンプライアンス研修とは
サイバックスUniv.のコンプライアンス研修なら、各分野のスペシャリストから最新事例が学べます。
ネタ切れ無縁!スペシャリストが実践的な事例を解説
サイバックスUniv.の研修は、それぞれの専門分野で実績を積んだスペシャリストが講師をつとめています。
コンプラ研修は学ぶ範囲が広い上に、専門的な内容が求められます。内製化は担当者の負担が大きく、「ネタ切れに苦戦」なんて声もよく聞きます。
決まりきったネタを繰り返し使うような研修では、社員の意識改革にはつながりません。固定化した体制に革命を起こすためにも、プロ講師による研修は絶大な効果を発揮します。
オンライン研修に必要な機能が標準搭載
サイバックスUniv.は独自の社員研修ポータルを導入しているので、管理職は社員の受講状況を簡単に把握できます。
受講記録やテスト結果を細かくチェックできるので、進捗状況を1人1人に確かめる手間はありません。
学習スタイルも多様で、繰り返し学べるeラーニングに加え、グループワークやロールプレイを取り入れた双方向型のウェブセミナーにも参加可能です。
反社に特化した研修も充実
サイバックスUniv.は低価格(1人600円/月)にも関わらず4,500以上の研修を受け放題で、階層別、職種別に学べるプログラムが揃っています。
特にコンプライアンス研修は基礎から応用まで豊富なラインナップを用意していますが、反社に特化したプログラムも充実しています。
反社絡みで生存競争に破れる企業が多発しているため、急ピッチで対策を講じなければならない分野です。
このように、サイバックスUniv.はセクハラ・パワハラに終止する古いタイプの研修ではなく、時代のニーズを先取りした最先端の学習ができます。
→サイバックスUniv.「コンプライアンス研修シリーズ」を確認
コラム執筆者
「サイバックスUniv.」会費制サービスは、eラーニングと公開研修あわせて約4500コースが定額で受け放題となるサービスです。1998年4月より「企業の未来は人材が創る、伸びる人材が企業を創る」をコンセプトに、ITを取り入れた新しい教育スタイルを提供しております。幅広い研修ラインアップをご用意しており、業種や職種を問わず、現在3,000社以上のお客様にご利用いただいております。