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データドリブン経営とは?導入メリットや活用事例を解説

2023年06月15日


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データドリブン経営とは

 

「勘ピュータの時代はもう終わりだ・・・」指示がコロコロ変わるワンマン社長に散々振り回され、経営を引き継いだ息子が“超”データ派になるパターンはめずらしくありません。とくに今、経営者の交代をきっかけにデータドリブン経営に乗り出すケースが急増しています。

 

消費者の嗜好も複雑になっているので、行動予測にもデータ分析は欠かせません。人手不足によって、効率性を優先しなければならない事情もあるはずです。

 

こういった要素がかさなり、経営のトレンドはデータドリブン経営に移り変わりつつあります。今回はデータドリブン経営について詳しく解説します。

 

データドリブン経営(Data Driven)経営とは

データドリブン(Data Driven)経営は、データをもとにして戦略や方針を決める経営方法のことをいいます。Data drivenをそのまま訳すと「データに駆り立てられて動くこと」。

 

経営の主軸をデータ活用にするあたらしい経営のあり方です。

 

データドリブン経営とデータ活用はちがうの?

どの会社でも、データを活用することはよくあるはずです。むしろ勘だけでものごとを決める会社の方が少数派になりました。

 

しかし、必要に応じて時々データを活用するぐらいではデータドリブン経営とはいえません。徹底的にデータをフル活用するところが最大の特徴です。

 

普通の会社では、特定の社員にデータ関連のお仕事を任せることが一般的です。担当者が集計や分析を行いそのデータを他の社員が借りる形になることが多いでしょう。

 

一方データドリブン経営では「調べておいてね」なんてセリフは通用しません。意思決定や業務の遂行にいたるまで、すべてのプロセスをデータを軸にして動くのがデータドリブン経営のやり方になります。

 

データを使う本人が集計、分析まで一連のプロセスを実行して他人任せにしません。部署や階層に関わらず同じデータを共有するため、つねに最新のデータを参照できる環境を整えます。

 

マッキンゼーの試算は1,500兆円?!DX成功のキーポイント

なぜ今、データドリブン経営の注目度が急上昇しているのでしょうか。マッキンゼー・アンド・カンパニーも、データドリブンによる経営革命には1,000~1,500兆円もの潜在価値があると発表しました。

 

反対に、データ活用に乗り遅れてしまうとキャッシュフロー20%減の可能性があるとの情報も追加しています。

 

実際データドリブン経営は、デジタル技術の活用によって社会に変革を起こすDX(デジタルトランスフォーメーション)成功のキーポイントでもあります。

 

上層部の意思決定や経営戦略など、深い部分にもデータとデジタルが入り込むようになりました。

 

最新のデジタル技術に精通する人材こそ企業で求められる人材になり、人事のあり方にも変化が起きています。

 

必要性が高い日本の“勘ピュータ”事情

日本はいまだに“勘ピュータ”をふりかざす文化が根づいているので、データドリブン経営がもっとも必要な国の1つかもしれません。

 

データドリブン経営と真逆の経営法は、KKD(勘=KAN・経験=KEIKEN・度胸=DOKYOU)経営になります。長年KKDが重視されてきたのは、周知のとおりです。

 

経営者に共通する要素として、多くの成功者の自伝でもKKDがいかに大切か語られています。ただ時代が大きく変化している現在、昔ながらのやり方ではうまくいかない場面が増えました。

 

データドリブン経営の導入メリット3つ

顧客ニーズを敏感にキャッチ

業種にかかわらず、顧客ニーズをするどくキャッチできなければ経営はうまくいきません。しかも今は市場がめまぐるしく変わっているため、マーケット構造も複雑化する一方です。

 

データを精密に分析すると、市場変化も先取りしやすくなります。勘に頼る不確かなやり方とは異なり、データにもとづく再現性の高い戦略が可能です。

 

スムーズな意思決定

データを軸にすると、意思決定のスピードも上がります。従業員全員が同じデータにもとづいて戦略を立てるため、すり合わせに不要な時間をかけることがありません。

 

客観的な判断もしやすくなります。いくら瞬時にイエス・ノーを決められても、直感頼りでは後々トラブルに発展しかねません。

 

ライバル企業に一歩リードするためにも、クレームなどのトラブルにすぐ対応するためにも、スピーディに意思決定できる体制の整備は不可欠です。残業時間を削減した成功例も報告されています。

 

収益のUP

生産性が飛躍的に上がり収益もアップします。アナログなやり方では、たった1つのことを決めるときも長い会議を繰り返さなければならないことも。

 

その上、最終的に上層部の意向で結論がひっくり返るようなこともあったはずです。その点データドリブン経営では、トップと全従業員が同じデータを用いて分析、戦略を立てます。

 

不要なプロセスをカットして、最短ルートで全員一致の結論を導き出せます。データやとIT技術を駆使すれば時間と場所から解放される場面も増え、働きやすい現場づくりにも貢献するでしょう。

 

人材が定着すればあらたに人を雇うコストと手間もカットできます。

 

データドリブン経営の活用事例

国内企業3社の成功事例

ワークマン

全社員を対象にエクセル講習を実施し、データを活用するシステムづくりを整えました。その結果、商品は同じまま売り方を変えるだけで売上の倍増に成功。

 

JTB

国内でも早い段階でデータドリブン経営に着手。量的分析と質的分析によって顧客理解を深め、最適な宿泊プランを提案できる体制を整えました。

 

日清食品

シニア層のカップラーメン離れを解決するため、SNSを細かく分析しました。シニア層のニーズがおいしさにあることを突き止め、リッチな商品を開発。高めの値段設定にも関わらず、発売後7ヶ月で販売累計1,400万食を突破しました。

 

課題は“ツールと教育の不足”

データドリブン経営に切り替えてもうまくいかない企業に共通しているのは、ツールと教育の不足です。小手先のデータ活用とは異なり大掛かりなデータの取得・蓄積・分析が不可欠です。

 

データ分析のためのBIやCRMなど専用のツールを導入し、デジタル化のための施策と同時並行で進めましょう。

 

社内共通のデータを使うため、部署や階層間で保管先がばらばらになっている場合は統一する作業も欠かせません。

 

会社が一丸となって取り組めるよう、教育の徹底も不可欠です。スペシャリストとそうではない従業員の温度差があると、戦略を実行したときつまずく場面が増えてしまいます。

 

現場でギクシャクさせない特効薬

データドリブン経営を導入するとき、会社によっては小規模の部署からスタートすることもあるでしょう。JTBも当初のプロジェクトメンバーは数名だったそうです。

 

いずれにしても、規模に関わらず専用の研修は欠かせません。研修のあり方もデジタル化が進んでいますが、オンライン研修なら時間と場所に縛られずに受講できます。

 

現場でギクシャクさせないための特効薬になるでしょう。立場によって必要な知識はちがうので、階層別に受講できるオンライン研修はとくにおすすめです。

 

デジタル研修プログラムを実施しているヤマト運輸など、オンライン研修を主軸にする企業が増えています。


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コラム執筆者

リスクモンスター株式会社 教育事業担当
リスクモンスター株式会社 教育事業担当

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