主体性とは?自主性との違いや高めるコツについて徹底解説!
2023年06月15日
主体性がない社員に頭を抱えていませんか? 主体性は、新人や若手の育成にたずさわる人間にとって共通の悩みどころになります。いわゆる指示待ち人間ばかりでは、業績ダウンは避けられません。指示する側の負担も大きくなります。
ただし主体性がない部下を叱り飛ばしてもパワハラ扱いされるリスクがある上、逆効果になるおそれがあります。さいわい主体性について心理学やマネジメントの分野でも研究が進み、うまくコントロールするコツが判明しています。やる気のない社員も、テクニックを使えば賢く攻略可能です。
今回は主体性について詳しく解説します。主体性をスムーズに引き出すために役立つ情報が満載です。
【仕事の場面】主体性の意味をわかりやすく解説
“主体性”という言葉の意味を、ビジネス目線であらためて考えてみましょう。
主体性とは
主体性とは判断力があり、目的達成のためにみずからの意思で行動しようとする態度のことです。
受身になりがちな学生時代とは異なり、社会人になると主体性が求められるようになります。入社の面接でも主体性に絡めた質問が多いのは、仕事に取り組む意欲や覚悟をチェックしているからです。
主体性が「ある社員」と「ない社員」のわかりやすい行動例
職場で「主体性がない」と言われてしまう行動を挙げてみました。「主体性がある」と評価される行動と比べてみてください。
主体性と自主性の決定的ちがい
主体性と自主性のちがいを言えますか? ややこしいことに「主体性=自主性」ではありません。
主体性という言葉を巡り、上司と部下が内心激突することはよくあります。主体性という言葉の意味を正確に理解していないことも、ぶつかる原因の1つです。
主体性と自主性の決定的なちがいは、やるべきことを決定する人間のちがいです。なにをやる必要があるのか自分で決める主体性に対し、自主性は他者が決めたことを率先して実行することを指します。
つまり、決められたことを“自主的に”取り組んでいても、主体性を重視する上司は納得しません。
指示されたことに加えみずからやるべきことを見つけ、自分の責任において行動を起こす態度を求めているわけです。
主体性の改善は組織開発の要
主体性のある社員が増えれば、組織の生産力は上がるはずです。組織開発の要として、主体性を改善するための対策を実施する企業も増えています。
ただ、主体性の問題はそんなに単純ではありません。そもそも、主体性があるとされる行動が賞賛されるかどうかは、上司によります。
指示以外のことを許可なく行うことを嫌う上司も少なくありません。主体的に行動したつもりが「勝手なことをするな!」と一喝される可能性もあります。
要するに、職場の主体性を改善するためには主体性の意味を社員全員が正しく理解し、同じ方向性に向かって行動を改善する必要があります。
ときに部下ではなく、上司の意識改革が必要なこともあるでしょう。
社員の主体性を高めるには?3つのコツ
社員の主体性を高めるためには、口で「主体性がある行動をするように」と命じるだけではいけません。主体性を引き出す具体的なメソッドが不可欠です。
主体性のない社員は指示待ち症候群に陥り、思考力が衰えがちです。AIに模倣できない発想力が求められる現代だからこそ、考えを伝える場を設け、業務を任せることで社会人としての主体性や責任感を育成するために以下のポイントが大切です。
自分で考えるトレーニング
主体性がない社員は、考えているようで考えていないのが実情です。いわゆる指示待ち症候群に陥ってしまうと、自分で考える機会がほとんどありません。
その結果、意思や判断力が乏しくなってしまいます。会議でも、周りの意見に安易に同調してばかりいる社員をよくみかけます。
同調圧力に屈してばかりだと、思考力も衰える一方です。今の時代に求められる理想像は、AIには模倣できない発想力に富んだ人材です。
いくら真面目でもイエスマン一辺倒では「主体性がない=仕事ができない」と思われてしまいます。
考えを伝える場を設ける
頭の中で考えることと、考えを口に出して伝えることには大きな隔たりがあります。考えるトレーニングを実践するためにも、社員には考えを伝える場を積極的に与えましょう。
アウトプットの場を設けると、意識レベルは飛躍的に高くなります。会議はもちろん、普段の対話でも「きみはどう思う?」と考えを聞き出しましょう。主体性を引き出す有効なアプローチになります。
業務を任せる
考えるトレーニングが進み、考えをスムーズに伝えられるようになったら実際の業務も任せてみましょう。
主体性がない人間は他責思考に陥っている傾向があります。ミスをしたときも「自分は指示に従っただけ、指示を出した人間が悪い」と己の責任を感じることができません。
責任を周りに押し付けるような人間がいると、職場の雰囲気が悪くなったり協力体制が崩れたりして生産性も下がります。責任感を芽生えさせるためにも、思い切って業務を任せてみましょう。
企業が主体性を発揮できる人材を育てる方法
企業が主体性をテーマに人材育成を行う場合、もっと大がかりな対策が欠かせません。
現状の把握
社員の主体性を育むファーストステップは、現状の把握です。客観的な判断規準をもとに、主体性レベルの評価をつけましょう。また、主体性の有無は本人も意識しておく必要があります。
客観的な評価と自己評価にズレが生じている場合、すり合わせが必要です。上司が「主体性がない」と判断しているのに、自分では「主体性がある」と評価していると、いつまでたっても問題に気づけません。
主体性を引き出すツールを活用
活動記録ツールや意見集約ツール、意見交換支援ツールなど、主体性を引き出すツールもおおいに活用しましょう。
モチベーション研修など教育システムを整備
社員の主体性を引き出すためには、モチベーション研修など研修の実施も有効です。社員の主体性に悩む職場では、大多数が指示待ち症候群に陥っているケースも少なくありません。
一部の社員にトレーニングを受けさせても、全体の雰囲気が改善されなければ現状維持の方向性に流されてしまうでしょう。教育システムを整備し、大々的にテコ入れする必要があります。
指導する側も研修は不可欠
主体性を引き出すための研修は、新人や若手だけではなく指導する側にも欠かせません。主体性のある部下を嫌がる上司が多いのも事実です。
いくら部下の主体性を育んでも、上司が邪魔をすれば研修の効果も半減してしまいます。方向性が一致するよう、階層別に受けられる研修が理想的です。
オンライン研修なら時間を有効活用して効率的に学べるため、人材育成のツールとしても投資する価値がおおいにあります。
コラム執筆者
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