女性活躍を推進するために企業がすべきこととは。成功のポイントを解説
2022年02月14日
少子高齢化や働き方の多様化が急速に進んでいる近年。企業にとって、「女性が働きやすい環境」を作る重要性は日に日に高まっています。この記事では女性の活躍や社会進出が注目されるようになった背景や、自社で取り組みを行う際のポイントについてご説明します。
女性の活躍や社会進出が重要視されている背景
本題に入る前に、日本において女性の活躍や社会進出が望まれている背景を確認しておきましょう。
ポイントは大きく分けて3つです。
・労働力の減少
真っ先に挙げられる背景が、労働力の減少です。シンプルに「人手不足」と言い換えることもできるでしょう。
皆さんもご存知のとおり、日本の社会はすでに超少子高齢化状態です。それにともない、
労働者の人口は減少していくことは避けられないでしょう。
そして、その対策として考えられたのが「働き手を増やす」というもの。国や各企業が環境を整えることで、これまで働きに出られなかった女性の就業を促進し、人手不足を補おうとしているのです。
・産業構造や就業構造の変化
労働力の減少と重なる部分ではありますが、社会の構造が変化したことも、女性活躍が望まれるようになった一因です。
市場のグローバル化やテクノロジーの発展により、私たちの働き方は大きく変わりました。例えばAIやロボットが登場したことで、従来よりも高い生産性や付加価値が求められるようになったと言えるでしょう。
そして、こうした変化によってダイバーシティ(多様性)が注目されるようになりました。価値観や国籍など多種多様な人材を活用し、今までにない価値創造をすることが求められるようになったのです。
・女性の雇用形態や管理職比率に現れている“働きづらさ”
日本の社会では、未だに女性が働きづらい現状があるのも背景のひとつです。
実際のデータをもとに、現状を確認していきましょう。
まず雇用形態の部分では、女性の半数が非正規雇用です。加えて、第1子の出産前後では
5割の女性が退職しており、正社員として働きつづけけるのが難しい環境が浮き彫りになっています。
また、日本における管理職に占める女性の比率では、2017年の時点で13.2%。アメリカ(43.8%)やフランス(32.9%)といった先進国だけでなく、世界各国と比較しても最下位に近い水準です。
出典:
厚生労働省「女性の活躍の推進のための対策について」
同「令和元年版働く女性の実情」
女性活躍推進法の概要
日本はこうした背景を受けて、2016年に「女性活躍推進法(正式名称:女性の職業生活における活躍の推進に関する法律)」という法律を施行しました。同法では従業員が101人以上の企業に対して、次のような取り組みを義務付けています。
①自社の女性の活躍に関する状況把握、課題分析
②状況把握、課題分析を踏まえた行動計画の策定、社内周知、公表
③行動計画を策定した旨の都道府県労働局への届出
④女性の活躍に関する情報の公表
具体的には、新規採用者および管理職の男女比率、労働時間や性別ごとの勤続年数といったデータを把握して改善に務める……といったイメージです。また、その内容を社内外に周知することも、取り組みの一環とされています。
女性活躍を推進するための3つのポイント
ここまでの内容を踏まえ、実際に女性活躍を推進するうえで押さえておくべき3つのポイントをご紹介します。
①産休や育休を含む、柔軟な働き方ができる制度は必須
女性の活躍を推進するうえで、女性・男性問わず産休や育休、フレックスタイム制といった柔軟に働ける環境制度の整備が欠かせません。
先述した出産前後の退職率を見るとわかるとおり、現在の日本の社会は女性にとってまだまだ働きづらい環境であると言わざるを得ません。そのため、できるかぎり女性が無理なく働けるように、企業として制度を設ける必要があるのです。
②各種制度の周知や、制度を活用した前例を生み出すことも大切
各種制度を整備するだけでなく、社内に周知することも重要です。
「制度を活用した社員がいる」という前例を作るのも有効です。
育休などの制度自体はあるものの活用できている人は少ない……という事態は珍しくありません。
社員が各種制度を“自分ごと”として捉えるためには、モデルケースを作るのが重要です。
社員にとって、制度を活用することが当たり前になっている状態が望ましいでしょう。
あわせて、周りの社員が制度に対して理解を示し、企業全体で運用できるようになれば理想的です。
③業務効率化によって、すべての社員にとって働きやすい環境づくりを
見落としがちなポイントではありますが、そもそもすべての社員が今よりも働きやすくなるように、業務効率化を図ることも大切です。
具体的な方法としては、業務分担の適正化や業務の効率化などが挙げられます。
ワークライフバランスの観点から、社員全員が働きやすい環境にすることで、産休・育休制度を利用する社員がいても、周りの社員がフォローしやすくなる効果も期待できます。
制度や研修を活用し、女性が活躍できる環境を実現
自社で女性活躍を推進するためには、働きやすい環境を見直し・整備し、社内への周知を通して制度を使いやすい雰囲気を醸成することが重要です。
あわせて、研修などで社員のスキルアップに伴う業務効率化など、制度以外での施策も必要と言えます。
スキルアップを図ったり、社員へダイバーシティの重要性を浸透させたりする目的で研修を導入される際には、社員研修サービス「サイバックスUniv.」がおすすめです。
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同サービスを提供するリスクモンスター株式会社は、女性活躍推進法の基準を満たした企業として「えるぼし認定」を取得しています。女性がさらに働きやすい環境を作るために、今後も新制度や新たな社員研修の導入といった取り組みを続けていく次第です。
私たちを取り巻く社会の状況は、日々急速に変化を続けています。その対応策の一環として、ぜひ自社での女性活躍推進に取り組まれてみてはいかがでしょうか。
コラム執筆者
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