チームビルディングとは?意味や目的、具体的な手法を解説
2021年12月22日
「チームビルディング」は言葉の定義が曖昧で、どのように取り組めば良いのかもわかりづらい取り組みです。そこで今回の記事では、目的から具体的な手法まで、チームビルディングについて1からわかりやすくご説明します。
チームビルディングの定義と目的
「チームビルディング」とは、パフォーマンスの高いチームを構築するための取り組み全般を指した言葉です。具体的な目標としては、個々のチームメンバーが主体性を持ち、最大限に力を発揮できる環境を整えることが挙げられます。チーム内で協力する「チームワーク」に対して、チームワークが生まれるような組織づくりをするのがチームビルディングであると考えてください。
チームビルディングを行う代表的な目的は、以下の3つです。
①チーム内でのコミュニケーションを円滑にする
チームが正しく機能するためには、個々のパフォーマンスはもちろん、チーム全体での
コミュニケーションが必要不可欠です。チームビルディングを通してメンバー同士の
コミュニケーションを促進することで、目標達成に向けた業務効率化が期待できます。
②チーム全体でビジョンを共有する
ビジョンの共有も、チームビルディングを行う目的のひとつです。どのような目標を・
どのようにして達成するのか……というビジョンを明確にし、チーム内で共有することで、個々のメンバーが主体性を持つことにつながります。
③適材適所な人員配置を実現する
同じチームに所属しても、メンバーによって得意・不得意な業務は異なります。
また、メンバー同士で相性の良し悪しがあるケースも珍しくないでしょう。こうしたメンバーの個性をチームビルディングの過程で明確にすることで、適材適所な人員配置の実現が見込めます。
「タックマンモデル」における4段階のプロセス
チームビルディングを行ううえでまず押さえておきたいのが、1965年にB.W.タックマンが提唱した「タックマンモデル」です。タックマンモデルではチームの状態を、発展の度合によって4つのプロセスに分けて説明しています。
1.形成期(Forming)
チームが立ち上がって間もない段階。メンバーがお互いのことをよく知らず、手探りで関係構築を試みている。
2.混乱期(Storming)
チームの目標が明確になり、メンバー同士のコミュニケーションが活発になってきた段階。対立や意見の不一致が頻発する。
3.安定期(Norming)
混乱期での意見交換を経て、チームが統一された段階。目標達成に向け、メンバーの役割が明確になる。
4.遂行期(Performing)
チームとして機能し、効率的に業務を遂行できる段階。メンバーがお互いをフォローし、
パフォーマンスを高めあう。チームとして完成しており、明確な改善点はあまりない状態。
チームビルディングの具体的な手法
先ほどご紹介した4段階のプロセスごとに、チームビルディングの最適な手法は異なります。そのため、チームビルディングを行う際には、まず「チームが現在どの段階であるか」を認識することが重要です。
以下では各プロセスで求められる取り組みや、具体的なチームビルディングの手法をご紹介します。
1.形成期(Forming)
チームが立ち上がって間もない形成期では、チーム内でのコミュニケーションを促進させることが最優先事項です。
メンバーがお互いを知り、打ち解けるための取り組みを進めるのが良いでしょう。
今回は取り組みの一例として、「マシュマロ・チャレンジ」と呼ばれるゲームをご紹介します。
①マシュマロと乾燥パスタ、ひも、はさみ、テープを用意する
②チームをいくつかのグループに分け、用意された道具を使って、できるだけ高い塔を組み立てる。制限時間は20分程度とし、塔の頂上にはマシュマロを置く
③制限時間が終わったら塔の高さを計測し、チームごとに競い合う
マシュマロ・チャレンジは記録に挑戦する過程を楽しむことで、役割分担やコミュニケーションが自然に生まれる点が特徴です。アイスブレイクとしても最適なため、形成期のチームビルディングにぜひ取り入れたいゲームであると言えるでしょう。
2.混乱期(Storming)
チーム内で対立が発生する混乱期では、話し合いや協調を促すための取り組みが求められます。具体的には、グループに分かれて課題解決にあたる「コンセンサスゲーム」の実施が有効です。
この記事では、代表的なコンセンサスゲームである「NASAゲーム」をご紹介します。
①チームをいくつかのグループに分ける
②月面に不時着した宇宙飛行士の立場に立って、手元にある道具(例:酸素ボンベ、水、宇宙食、拳銃、マッチなど)に優先順位を付ける
③まずは個人で回答を決め、その後にグループ内で話し合って結論を出す
④NASAが発表している模範解答と照らし合わせ、各グループの点数を算出する
NASAゲームのポイントは、「個人で出した答えをもとに、グループ内で議論する」ことです。この過程を通して、論理的な説明をする、自身と違う意見をを受け止める……など、混乱期を乗り越えるために必要なコミュニケーションの促進が期待できます。
3.安定期(Norming)
チームとしてある程度まとまりが生まれてきた安定期では、各メンバーのパフォーマンスを底上げするための取り組みが重要です。具体的には、リーダーによる適材適所な人員配置・役割分担などが求められます。
そのため安定期においては、1on1ミーティングなどを通して、各メンバーへのフォローを重点的に行うと良いでしょう。
4.遂行期(Performing)
遂行期は、チームとしてほぼ完成している状態です。遂行期をできるかぎり長く持続できるように、安定期から遂行期へ移行するために行った取り組みを継続することが求められます。
チームビルディングを行ううえで重視していただきたいのが、「強制的である印象を持たせない」ことです。どのような手法をとる場合でも、メンバーが自主性を持って実施できる環境を作ることが重要になります。
チームビルディングの基礎を押さえて、理想的なチームを実現
効果的なチームビルディングを行うためには、タックマンモデルなどのフレームワークを押さえたうえで、チームの状態に合った手法を選ぶ必要があります。
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コラム執筆者
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