ハラスメントの定義と種類。予防のために必要な社員教育について解説
2022年03月31日
最終更新日:2022年08月16日
社員一人ひとりが、最大限にパフォーマンスを発揮するためには、職場でのハラスメント対策が必要不可欠です。ハラスメントの発生は、被害者本人だけではなく、職場全体に悪影響をおよぼす恐れもあります。
この記事では、ハラスメントが起こることによる様々なリスクやハラスメントの種類、具体的なハラスメント対策の方法について紹介します。
ハラスメントとは
ハラスメントとは、嫌がらせやいじめ全般を指した言葉です。他者に身体的・精神的な苦痛を与える言動は、基本的にすべてハラスメントに含まれます。
ハラスメントが起こる原因
では、なぜ、職場でハラスメントが発生してしまうのでしょうか。主な原因としては、
「社員の認識不足(知識不足)」と「組織の問題」の2つが挙げられます。
・社員の認識不足(知識不足)
ハラスメントを行う社員が、自身の言動を、ハラスメントとして認識していないパターンです。
「部下のためなのだから、これくらいの叱責は当たり前だ」といった考えや、性別などに
対する偏見や古い価値観のままの状態であることが理由として考えられます。
・組織(環境)の問題
社内体制や人間関係など、組織(環境)自体にハラスメントを招く原因があるパターンです。
また、人手不足によって、社員一人ひとりへ過度な負荷がかかり、後述するマタハラなどにつながるケースもあります。
ハラスメントが発生した際のリスク
ハラスメントが起こってしまった場合には、被害者だけではなく、会社全体にも悪影響が
およびます。ハラスメントによって引き起こされる弊害は下記の内容が考えられます。
・社員から訴訟を受ける法的リスク
ハラスメントが起こった場合、加害者はもちろん、会社にも損害賠償責任が認められる可能性があります。2019年には、パワハラ防止法(正式名称:「改正労働施策総合推進法」)と呼ばれる法律が成立し、違反した場合は、是正の対象になるとされています。
・社員の生産性の低下
職場内でハラスメントが起こっているとなると、周りの社員達が、業務に集中できなくなるのは自明です。結果として、職場内の生産性が低下するほか、ハラスメントが許される環境であると周りの社員が認識することで、さらなるハラスメントにつながる恐れもあります。
・退職者の増加や、それにともなう取引先からの信頼の失墜
ハラスメントを受けたことや、ハラスメントに伴う職場環境の悪化が原因で、退職者が増加してしまうのもリスクです。また、退職者が増加し、担当者が次々に変わることで、取引先からの信頼の低下にもつながる危険性があります。
職場で起こる主なハラスメントの種類
この章では、職場で起こる代表的なハラスメントの種類を4つ紹介します。
・セクシャルハラスメント(セクハラ)
セクシャルハラスメント(セクハラ)は、相手の意に反した性的な言動によるハラスメントを指しています。
性別に関連した不適切な発言のほか、性別を理由にした不当な人事評価などが該当します。
男性から女性に対して行われるイメージを持たれがちですが、女性から男性や、同性間、LGBTQへのハラスメントもセクハラの一種です。
・パワーハラスメント(パワハラ)
セクハラと並んで、ハラスメントの代表格とされているのが、パワーハラスメント(パワハラ)です。
上司から部下、先輩から後輩など、立場の優位性を利用して行われるハラスメントが、こちらに該当します。
なお、厚生労働省の定義では、次の3つの要素をすべて満たしたものが、パワーハラスメントであるとされています。
1.優位性を背景に行われること
2.業務の適正な範囲を超えて行われること
3.身体的若しくは精神的な苦痛を与えること、又は就業環境を害すること
この定義に基づくと、経験やスキルの差を背景にした同僚間でのハラスメントも、パワーハラスメントの一種であると言えます。
関連記事リンク:
パワーハラスメントの言葉、内容の理解を深めましょう! 大企業は今年の6月1日から義務となります。(中小企業は令和4年4月1日)
参考リンク:
厚生労働省「パワーハラスメントの定義について」
・マタニティハラスメント(マタハラ)
マタニティハラスメント(マタハラ)は、出産・妊娠・育児に関連した女性へのハラスメントの総称です。
代表的なものとしては産休・育休の取得や、時短勤務を理由にした不当な扱いなどが挙げられます。
ちなみに、育休を取得した男性に対するハラスメントは、英語のPaternity(父性)から「パタニティハラスメント(パタハラ)」と呼ばれています。
マタハラに関する法改正はここ数年で繰り返し行われており、マタハラ防止対策は関心が高まってきています。マタハラやマタハラ研修に関する詳細は、以下の関連記事リンクをご確認ください。
関連記事リンク:
【マタハラ研修の内容と目的】マタニティハラスメントを正しく理解していますか?
・ジェンダーハラスメント
ジェンダーハラスメントは、性別を基準に人の行動を制限する言動を指したハラスメントです。
例えば「力仕事は、男がするべきだ」「女性は、お茶くみをしなければならない」といった扱いは、すべてジェンダーハラスメントにあたります。
ハラスメントを予防する方法
ここまでで、ハラスメントによるリスクや具体的なハラスメントの種類についてご紹介しました。それでは、ハラスメントの発生を予防するためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。
それは、ハラスメント研修などを通して全社員へハラスメントの知識を周知・徹底させることです。管理職に対しては、それに加えて、部下への指導方法などに関する研修も必要となるでしょう。
また、性別をはじめとしたダイバーシティへの理解など、ハラスメントにつながり得る知識不足をつぶしておくことも重要です。総じて、社員への教育の徹底や、そのために必要な研修制度や環境の整備が、必要不可欠であると言えます。
社員教育を徹底し、ハラスメントゼロの職場環境を実現
社員へハラスメント関連の教育をする際には、会費内のeラーニング講座やオンラインでの対面研修(公開研修)を、無制限に受けられる「サイバックスUniv.」がおすすめです。
ここでは参考までに、同サービス内で提供しているコースの一例を紹介します。(2022年3月現在)
【全社員向け研修】
・ケースで学ぶ ハラスメント研修
ハラスメントとは何か、どんなときに起こりやすいのか、起こさないためにはどうすればいいのか。また、ハラスメントを受けた場合は?、などハラスメントにおける要点を、ケーススタディを通じて学びます。
・ハラスメント防止講座(2020年度版)
まず、ハラスメントとは何かについて紹介します。それから、パワーハラスメント、セクシャルハラスメント、妊娠・出産・育児休業・介護休業など関するハラスメントとは、どのようなものを指すのか、具体例を交えて学び、防止の方法も紹介します。最後に、ハラスメントに対する対処法を取り上げます。
【管理者向け研修】
・知って役立つ!管理職のためのハラスメント講座
職場で起こるハラスメントについて学ぶことができます。
セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、逆パワーハラスメントなど、様々なハラスメントについて学ぶとともに、管理者としての対処法や、会社がとるべき予防法についても合わせて学ぶことができます!
・効果的な部下指導&ハラスメント防止
ライフラインチャート表を作成し、自分の強みや価値観に気づき、自分の成長や業務に役立つことを学びます。
チーム力を生かす、部下への適切な指導方法を学びます。
【種類別のハラスメント研修】
・職場のケア/職場のパワーハラスメント
パワーハラスメントについての正しい知識と、職場においてパワーハラスメントの加害者・害者にならないための、行動基準を身につけることができます。
・職場のケア/場のセクシュアルハラスメント
セクシャルハラスメントについての正しい知識と、職場においてセクシュアルハラスメントの加害者・害者にならないための、行動基準を身につけることができます。
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コラム執筆者
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