自らを知る 〜セルフ・アウェアネスがキャリアにもたらすもの〜
2022年08月16日
40年の時を経ても変わらない素養
以下に、2つの問があります。
それが問われた期間には多く見積もって40年の時間差がありますが、答えは同じものです。さて、それは何でしょう?
問1
GEを20年率いたジャック・ウェルチ氏が、引退の記者会見で「どのようにして20世紀最高の経営者と呼ばれるようになれたのか」という質問に対して、たった一言だけ答えたのは?
問2
近年、スタンフォード大学ビジネススクールの75人の評議会メンバー達への調査で、「リーダーが開発すべき最も重要な能力とは?」という問いに対して、ほぼ全員が挙げたものは?
それは、「セルフ・アウェアネス」でした。
セルフ・アウェアネスとは、文字通り「自己認識」のこと。
自分の強みや弱み、特徴といった表層的な行動にあらわれることだけではなく、
・価値観や信念、それに伴う感情など、内面的なもの、
・健康状態や身体の発するサインなど、身体的なもの、
・周囲の人々への影響力や相手との関係性や見られ方など、関係性の間にあるもの、
そして、
・自分の生まれてきた意味や使命・大志
など、自身のあらゆることに対する認識のことを指します。あなたは、「自分を知って」いますか?
セルフ・アウェアネスが求められる理由
ではなぜ、セルフ・アウェアネスは、他の多くの素養を押しのけて、”開発すべき最も重要な能力” なのでしょうか?
それには、心理学者であり「EI(エモーショナル・インテリジェンス)」の提唱者である、ダニエル・ゴールドマンの言葉を借りるのが良いでしょう。
“自己認識能力が高い人は、必要以上に深刻になることもなければ、楽観的になりすぎることもない。彼らは自分自身に対しても他者に対しても正直である”
“自己認識に優れた人物は、厳しい日程で仕事をすると自分が最低の業績しか出せないことを知っているから、入念な計画を立て、期日以前に十分な余裕をもって仕事を完了することができる。”
逆に、自己認識に欠ける人についはこう述べています。
“自分のほんとうの価値観に目をつぶり、心の動揺に引きずられた決定を下しがちである。「報酬がよさそうだから、やってみようか」と判断するのだが、二年後には、「こんな仕事をやっていても自分には意味がない、退屈でしかたがない」と思うはめに陥るだろう”
いかがでしょうか?皆さん自身にも思い当たるところはありませんか?
自身のキャリアを自分らしく、臨床心理学者のロジャースが言う「自己一致」したものにするためにも、まずは「自分」を知る必要があるわけです。
では、どの様に自分を知るのでしょうか?
自分を知る2つの方法
1つ目は「内面的自己認識」です。
皆さんが、イメージが付きやすいのはこちらでしょう。
「自分自身で自分を振り返る」「内省する」ことが、この内面的自己認識にあたります。就活の際にはいくつもの「自己分析」「自己評価」をされた方も多いのでは無いでしょうか。
しかし、これだけでは十分ではありません。
なぜなら、私達は驚くほど自らのことが見えていないからです。
そのためにも欠かせないのが「外面的自己認識」です。
言葉からだけではちょっと分かりづらいですね。
これについては、私が担当させていただいている、「入社半年 振り返り研修」にご参加いただき、体験してみてください。
終わりに
いかがだったでしょうか。
「新入社員のための入社半年フォローアップ(半日研修)」では、内面的自己認識に加え、間接的ではありますが、この外面的自己認識を取り入れたセルフ・アウェアネスのパートを盛り込んでいます。
この研修が、リーダーシップやマネジメントなどの一環として皆さんの今後の長いキャリアを「自己一致」して歩むきっかけづくりになれば幸いです。
コラムの内容を学べる公開研修情報
新入社員のための入社半年フォローアップ(半日研修)-入社半年を振り返り、これからのアクションを考える-
日程:2022年10月12日(水曜日)14:00~18:00こちらの研修は終了しております。
研修テーマにご興味がございましたら、こちらよりお問合せください。