Z世代の特徴を理解し、安定した職場を共につくる
2025年01月07日
はじめに – Z世代とは?
Z世代(主に20代全般、1990年代後半から2010年代前半に生まれた世代)が職場に増えつつある現在、企業にとって彼らの特徴を理解することは必須です。従来の世代とは異なる価値観を持つZ世代を適切に育成し、力を引き出すことができれば、企業の競争力を一層高めることができます。また、Z世代が起こしやすい問題(早期退職・コミュニケーションギャップ・モチベーション低下)にも、適切かつ早急に対処できるようになります。
以下では、Z世代の仕事に対する特徴を3つに分けて解説し、これらが現場でどのような問題を引き起こす可能性があるかを具体例とともに考察します。
Z世代の仕事に対する特徴3点
1.自己実現と仕事の意義を重視する
Z世代は、「仕事=収入源」という単純な図式では動きません。彼らは社会意義や社会貢献といった意味を仕事に求めます。たとえば、環境問題やダイバーシティ(多様性)の推進に関心が高く、自分の価値観や信念に合致する職場を選ぶ傾向があります。
2023年の日本コカコーラ株式会社の調査によると、サステナブルな社会の実現に向けた意識はZ世代の方が高いことがわかりました。Z世代の42.0%が「今まで以上に貢献したい」と回答し、ベビーブーム世代より約10ポイント高い結果です。
出典:サスティナビリティに関する意識調査
2. デジタルネイティブとしての強みと弱点
Z世代は幼少期からスマートフォンやSNSに触れて育ち、情報収集力やマルチタスク能力が高い一方で、膨大な情報にさらされることによる集中力の低下や、対面でのコミュニケーション不足が課題として挙げられます。
ピューリサーチセンターの調査では、Z世代の58%が「メールよりもチャットやSNSを好む」と回答しています。さらに、オンラインでの情報共有には強いものの、対面コミュニケーションに苦手意識を持つ傾向が報告されています。
3.ワークライフバランスの重視
Z世代は、仕事とプライベートの両立を重要視します。長時間労働を美徳とする価値観が希薄で、心身の健康や柔軟な働き方への関心が高いのが特徴です。
ヒューマンホールディングスが行ったZ世代への「仕事観と自分らしさに関する調査」の「自分らしく働くとは、どのように働くことですか」という質問に対し、
ワークライフバランスを保ちながら働く | 17.6% |
---|---|
仕事とプライベートをキッチリ分ける | 13.9% |
収入を増やすために働く | 9.4% |
出典:Z世代の仕事観と自分らしさに関する調査2024
https://www.athuman.com/news/2024/19779/
上位1位2位が個人のライフスタイルを重要視している結果となりました。
また、他にも「メンタルヘルスを守りながら働く(6.5%)」「タイパよく働く(5.6%)」といったバランスの取れた生活を送ることを重視していることが伺えます。
各特徴による現場での課題と実例
ここでは『Z世代3つの仕事の特徴』から、現場で起こりうる問題と実例を紹介していきます。
1. ミスマッチによる早期離職
〇現場で起こる可能性のある問題
社会貢献と仕事の意義を重視する傾向があるため、企業のミッションが明確でない場合、業務内容が社会貢献と感じられない場合、モチベーションの低下や早期離職につながる可能性があります。
〇具体例
・入社後、与えられた業務が単調なデータ入力やルーティンワークが多く、意義を感じられなくなり「自分のやりたかった仕事ではない」と考え早期退職を申し出る。
・自分の価値観、社会意義に合わない決定や方針があると、不満をSNSや同僚に話す。モチベーションの低下。
2.対面でのコミュニケーション不全
〇現場で起こる可能性のある問題
生粋のデジタルネイティブで対面コミュニケーションを苦手とする人材が一定数います。対面コミュニケーション同僚や上司とのやり取りがメール、SNS、オンラインに偏り、対面での意思疎通が不足することで誤解や摩擦が生じやすい場合も。
〇具体例
・会議中に意見を求められても黙り込んでしまい、後からチャットで詳細な提案を送るが、タイミングを逸して議論に反映されない。
・複数の情報源を同時に確認するマルチタスク習慣から、注意散漫になりやすく、業務の生産性が落ちる。クライアントへの重要なメールを送り忘れる。
3.過度なプライベート優先の影響
〇現場で起こる可能性のある問題
ワークライフバランスを最優先する傾向があり、プライベートを優先するあまり、繁忙期や緊急対応が必要な場面で協力を得られないことがある。
〇具体例
・チームの納期が迫っているが、「予定していたプライベートの時間を変更したくない」と残業を断る。
・ストレスに対する耐性が低く、早期にメンタルヘルスに問題が出やすい。繁忙期にタスクが増えることで「精神的に限界」と上司に相談し、休職に至る。
まとめ
Z世代は育ってきた環境、時代背景から独特な価値観を保有しています。一見すると理解が難しい言動でも、事前に理解し把握することで、現場の負担増とトラブルは大きく回避することができます。さらに、彼らの強み、能力を最大限に引き出すことで、現場の早期戦力化も可能となるでしょう。2年目、3年目と順調に職場定着していくには、最初が最も肝心です。
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コラム執筆者
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